「おっ…と」
エディは軽く呟いてハンドルを僅か傾ける。
それだけのことだったのに、機体は緩やかな弧を描いて浮揚し壁面ギリギリを掠めて離れる。パトロール・カーは近くにいないものの、X-レイ・サーチでチェックされたかも知れない。
錐揉みにならず空路を取り戻した機体に、遠巻きに見ていた一団から低く、おお、と感嘆の声が上がる。
「危ない、止めろ!」
「分かってんだろ」
へリアスの小さい叫びを気に止める風もなく、エディは軽く笑み零れる。
フリットバイクが一気に加速旋回し始める。振り落とされ兼ねない操縦に、へリアスは次第に色を失う。
エディはまるで一連の行動を楽しむようだ。
「相当イカれてるぜ」
エディのサポートにまわる少年はその戯れに呟いた。
気圧の変化と恐怖心からかガタガタ震え出したヘリアスに、エディは聞き分けの無い子供に言い聞かせるように決然と
「銃(得物)を返せよ」
その途端、エディに向けて一条のレーザー光が走る。
反射的に躱すと、ヘルメットの留め具が弾けた。
ビルの横を通り際、風が巻いてヘルメットを浮かせる。
「上等じゃないか」
エディは軽く呟いてハンドルを僅か傾ける。
それだけのことだったのに、機体は緩やかな弧を描いて浮揚し壁面ギリギリを掠めて離れる。パトロール・カーは近くにいないものの、X-レイ・サーチでチェックされたかも知れない。
錐揉みにならず空路を取り戻した機体に、遠巻きに見ていた一団から低く、おお、と感嘆の声が上がる。
「危ない、止めろ!」
「分かってんだろ」
へリアスの小さい叫びを気に止める風もなく、エディは軽く笑み零れる。
フリットバイクが一気に加速旋回し始める。振り落とされ兼ねない操縦に、へリアスは次第に色を失う。
エディはまるで一連の行動を楽しむようだ。
「相当イカれてるぜ」
エディのサポートにまわる少年はその戯れに呟いた。
気圧の変化と恐怖心からかガタガタ震え出したヘリアスに、エディは聞き分けの無い子供に言い聞かせるように決然と
「銃(得物)を返せよ」
その途端、エディに向けて一条のレーザー光が走る。
反射的に躱すと、ヘルメットの留め具が弾けた。
ビルの横を通り際、風が巻いてヘルメットを浮かせる。
「上等じゃないか」
