王都の森に到着した。
日を通さない様な鬱蒼と茂った木々は西の森を思い出させる。
キャロル達は足を踏み入れた。
遠くで金属がぶつかり合う音や獣の咆哮が聞こえる。
「テストだから割と人がいるみたいだね。」
ルシウスの言葉と同時に茂みから服が破れ血塗れになった人間が飛び出して来た。
緑色の腕輪をしている事からテスト中の冒険者だと分かる。
「…あの方は恐らく失敗でしょうね。」
「だろうね?
さあ私達も頑張ろうか。」
「俺が1番に合格してやるからな!
勝負だキャロ、ノア!」
レオンが森の奥に走って飛び込んで行く。
やれやれと言いたげにルシウスが頭を振った。
「リアム、レオンを追ってやってくれるかい?
あいつならどうせ帰り道が分からなくなるよ。」
「はい。
畏まりました。」
リアムもレオンの後を追って森の奥に行ってしまった。
キャロルはポケットから魔道具を取り出す。
静流の遺跡の為に作った魔道具の試運転だ。
水晶玉の様な見た目の魔道具に魔力を込めると水晶の中に地図が写った。
成功の様だ。
地図上には点で魔物がいる場所も記入されている。
「じゃあノアさん、私はあっちに行きますので。」
また後ほど、と続けようとするとルシウスに腕を捕まれる。
「一緒に行こう?」
「いや、テストですし…。」
正直に言えばあまり一緒にいたくない。
すぐに切れて面倒臭い上に殺しにかかってくる奴というのが現在のキャロルの中のルシウス像である。
二人っきりというのは宜しくない。
獲物になるのは嫌なのだ。
「大丈夫だよ。
別々のヴォーグを討伐すれば良いだけだろう?」
「…そうですね。」
全く良くないが肯定以外許されないのだ。
こいつは腐ってもこの国の王太子だ。
ついでに王宮内の立場で考えれば自分の上司でもある。
部下はいつだってイエスと言う他ないのだ。
悲しいがこれが縦社会の決まりである。
キャロルは肩を落としながら茂みを掻き分けて進む。
レオンが勝手に行ったりしなければ魔王と2人なんて事にはならなかったのに。
後で幻覚のゾンビにでも追いかけさせてやろう。
「あと1㎞でヴォーグと遭遇する予定ですが、先に殺らせて頂いても良いですか?」
「ん?
構わないよ?」
日を通さない様な鬱蒼と茂った木々は西の森を思い出させる。
キャロル達は足を踏み入れた。
遠くで金属がぶつかり合う音や獣の咆哮が聞こえる。
「テストだから割と人がいるみたいだね。」
ルシウスの言葉と同時に茂みから服が破れ血塗れになった人間が飛び出して来た。
緑色の腕輪をしている事からテスト中の冒険者だと分かる。
「…あの方は恐らく失敗でしょうね。」
「だろうね?
さあ私達も頑張ろうか。」
「俺が1番に合格してやるからな!
勝負だキャロ、ノア!」
レオンが森の奥に走って飛び込んで行く。
やれやれと言いたげにルシウスが頭を振った。
「リアム、レオンを追ってやってくれるかい?
あいつならどうせ帰り道が分からなくなるよ。」
「はい。
畏まりました。」
リアムもレオンの後を追って森の奥に行ってしまった。
キャロルはポケットから魔道具を取り出す。
静流の遺跡の為に作った魔道具の試運転だ。
水晶玉の様な見た目の魔道具に魔力を込めると水晶の中に地図が写った。
成功の様だ。
地図上には点で魔物がいる場所も記入されている。
「じゃあノアさん、私はあっちに行きますので。」
また後ほど、と続けようとするとルシウスに腕を捕まれる。
「一緒に行こう?」
「いや、テストですし…。」
正直に言えばあまり一緒にいたくない。
すぐに切れて面倒臭い上に殺しにかかってくる奴というのが現在のキャロルの中のルシウス像である。
二人っきりというのは宜しくない。
獲物になるのは嫌なのだ。
「大丈夫だよ。
別々のヴォーグを討伐すれば良いだけだろう?」
「…そうですね。」
全く良くないが肯定以外許されないのだ。
こいつは腐ってもこの国の王太子だ。
ついでに王宮内の立場で考えれば自分の上司でもある。
部下はいつだってイエスと言う他ないのだ。
悲しいがこれが縦社会の決まりである。
キャロルは肩を落としながら茂みを掻き分けて進む。
レオンが勝手に行ったりしなければ魔王と2人なんて事にはならなかったのに。
後で幻覚のゾンビにでも追いかけさせてやろう。
「あと1㎞でヴォーグと遭遇する予定ですが、先に殺らせて頂いても良いですか?」
「ん?
構わないよ?」

