その夜キャロルはまた展望車に来ていた。
レオンは早々にイビキをかいて眠ってしまったしリアムも腕組をして座ったまま頭を揺らしていた。
その横でルシウスも手に顎を乗せて目を閉じていた。
出発したあの日と同じ席であの時と同じ様な満天の空を見上げた。
麦酒を飲みながら森の中での記憶を思い返す。
初めての事しかなかった。
見る物全てが新鮮でそしてとても綺麗だった。
「やっぱりここにいた。」
ルシウスが微笑みながら目の前の椅子に座り給仕にワインを頼む。
「…デジャブ。」
「ん?」
「いえ、何でもありません。」
「そう?」
ルシウスはそう言って笑いワインに口を付けた。
「何だかさ、帰りたくないよね。」
ルシウスの言葉にキャロルも小さく頷いた。
「帰ったら次の計画を立てようか。
キャロルも早めに魔道具完成させてね?」
「…あの」
「ん?」
「いつか…今度こそエルフに会ってみたいです。」
キャロルがもじもじしながら言うと一瞬ルシウスは目を見開きすぐに蕩けるような甘い笑みを浮かべた。
「そうだね。
今度こそ必ず会いに行こうね?」
ルシウスが頭を撫でるが何故かキャロルは固まっている。
その目はまるでゴミを漁るカラスを見る目であった。
「…なんだいその顔は。」
「いえなんか今の殿下の顔がいつもより気持ち悪…いや何でもありません。」
「…まぁいいよ。
私も久々に本気で楽しかったしね。
今日は許してあげるよ。」
ルシウスが苦笑いをしてまたワインを呷る。
「帰ったら翌日には今度こそ顔合わせだからね?
また迎えに行くから出かけるのは無しだよ。」
「私真面目に不参加じゃダメですかね?」
「ダメだよ。
私1人で令嬢達と戦うなんて嫌だからね。
キャロルも諦めて一緒に戦おう。」
キャロルが顔に死相を浮かべるがルシウスの笑顔は全く崩れない。
この1週間で慣れられてしまったらしい。
憎らしい事この上ない。
そんな事を考えながら飲んだ麦酒は何故か行きより少しだけ美味しく感じた。
レオンは早々にイビキをかいて眠ってしまったしリアムも腕組をして座ったまま頭を揺らしていた。
その横でルシウスも手に顎を乗せて目を閉じていた。
出発したあの日と同じ席であの時と同じ様な満天の空を見上げた。
麦酒を飲みながら森の中での記憶を思い返す。
初めての事しかなかった。
見る物全てが新鮮でそしてとても綺麗だった。
「やっぱりここにいた。」
ルシウスが微笑みながら目の前の椅子に座り給仕にワインを頼む。
「…デジャブ。」
「ん?」
「いえ、何でもありません。」
「そう?」
ルシウスはそう言って笑いワインに口を付けた。
「何だかさ、帰りたくないよね。」
ルシウスの言葉にキャロルも小さく頷いた。
「帰ったら次の計画を立てようか。
キャロルも早めに魔道具完成させてね?」
「…あの」
「ん?」
「いつか…今度こそエルフに会ってみたいです。」
キャロルがもじもじしながら言うと一瞬ルシウスは目を見開きすぐに蕩けるような甘い笑みを浮かべた。
「そうだね。
今度こそ必ず会いに行こうね?」
ルシウスが頭を撫でるが何故かキャロルは固まっている。
その目はまるでゴミを漁るカラスを見る目であった。
「…なんだいその顔は。」
「いえなんか今の殿下の顔がいつもより気持ち悪…いや何でもありません。」
「…まぁいいよ。
私も久々に本気で楽しかったしね。
今日は許してあげるよ。」
ルシウスが苦笑いをしてまたワインを呷る。
「帰ったら翌日には今度こそ顔合わせだからね?
また迎えに行くから出かけるのは無しだよ。」
「私真面目に不参加じゃダメですかね?」
「ダメだよ。
私1人で令嬢達と戦うなんて嫌だからね。
キャロルも諦めて一緒に戦おう。」
キャロルが顔に死相を浮かべるがルシウスの笑顔は全く崩れない。
この1週間で慣れられてしまったらしい。
憎らしい事この上ない。
そんな事を考えながら飲んだ麦酒は何故か行きより少しだけ美味しく感じた。

