キャロルの言葉にレオンとリアムの口がポカンと開いている。
何を言っているのか理解出来なかったのだ。
だってついさっき禁術まで発動したのだ。
魔力がないなど意味が分からない。
国王は静かにキャロルの前に進みその手を握った。
目を閉じしばらく黙った後口を開く。
「…ルシウスの魔力を戻した事で魔力劫掠術の残骸が発動したか?」
キャロルは頷く。
国王はキャロルに憐れみとも悲しみともつかない目を向けた。
「…確かにこれでは魔術師会に所属しておく事は叶わぬ。」
「嘘だろ………?」
国王の判断にレオンの愕然とした呟きが漏れる。
魔女と呼ばれる程ずば抜けた魔術師に魔力がなくなったのだ。
魔術師にとって魔力は命に近い物だ。
何故キャロルがこんなに冷静なのか理解出来ない。
ただ真っ直ぐに国王を見詰めるキャロルに国王は小さく溜息をついた。
「…では処分の話の前に問おう。
昨日そなたは明日もう1つ願う事があると言っておったな?
それを聞かせて貰おう。」
国王の問い掛けにキャロルはふっと笑った。
全てを決めた様な笑み。
この年齢でそんな笑い方をする少女など見た事がないと国王は小さく胸が傷んだ。
こんな少女にしてしまった国の王として胸が苦しい。
「まず昨日の願いであるワインスト家からの除籍の受理をお願いします。
あと魔術師会からの正式な破門も加えて。」
「…そうか。」
国王は悲しげに頷く。
全てを要らないと言う少女が寂しくて。
「そしてこちらが本日お願いしたかった事にございます。
私が塔から出る事の許可。
そしてそれに伴いルシウス王太子殿下の婚約者候補辞退の許可をお願い致します。」
何を言っているのか理解出来なかったのだ。
だってついさっき禁術まで発動したのだ。
魔力がないなど意味が分からない。
国王は静かにキャロルの前に進みその手を握った。
目を閉じしばらく黙った後口を開く。
「…ルシウスの魔力を戻した事で魔力劫掠術の残骸が発動したか?」
キャロルは頷く。
国王はキャロルに憐れみとも悲しみともつかない目を向けた。
「…確かにこれでは魔術師会に所属しておく事は叶わぬ。」
「嘘だろ………?」
国王の判断にレオンの愕然とした呟きが漏れる。
魔女と呼ばれる程ずば抜けた魔術師に魔力がなくなったのだ。
魔術師にとって魔力は命に近い物だ。
何故キャロルがこんなに冷静なのか理解出来ない。
ただ真っ直ぐに国王を見詰めるキャロルに国王は小さく溜息をついた。
「…では処分の話の前に問おう。
昨日そなたは明日もう1つ願う事があると言っておったな?
それを聞かせて貰おう。」
国王の問い掛けにキャロルはふっと笑った。
全てを決めた様な笑み。
この年齢でそんな笑い方をする少女など見た事がないと国王は小さく胸が傷んだ。
こんな少女にしてしまった国の王として胸が苦しい。
「まず昨日の願いであるワインスト家からの除籍の受理をお願いします。
あと魔術師会からの正式な破門も加えて。」
「…そうか。」
国王は悲しげに頷く。
全てを要らないと言う少女が寂しくて。
「そしてこちらが本日お願いしたかった事にございます。
私が塔から出る事の許可。
そしてそれに伴いルシウス王太子殿下の婚約者候補辞退の許可をお願い致します。」

