「よう」
するとちょうどそこに慎太郎とその友達が通りかかった。
慎太郎とは昨日ぶりだから、なんとなく緊張する。
「おまえら、仲良くなったのか?」
慎太郎はわたしと菜月の顔を交互に見てニッコリ笑う。
「うん、慎太郎のおかげだよ。ありがとう」
「いやいや、俺はなんもしてねーよ。つーか、琉羽はなんでまた泣いてんだ?」
両手をズボンのポケットに突っ込みながら、からかうようにわたしの顔を覗きこむ慎太郎。
あまりの距離の近さに、思わずビックリしてしまった。
「だ、だから、泣いてないってば!」
「ははっ、そんなムキになんなくても。あ、俺ら今から学食行くんだけどさ、おまえらも弁当持って一緒にどうだ?」
「え、いや、でも」
菜月はどうだろう。
それに慎太郎だって友達といるじゃん。
「いいよな? 浩介(こうすけ)」
わたしの気持ちを察したのか慎太郎が同意を求める。
「もちろん」
浩介と呼ばれた男子は、ニッコリ笑ってそう言った。
明らかに染めているとわかる茶髪のゆるふわパーマ。腕にはミサンガをつけている。
真面目な慎太郎とは正反対で派手な外見。
その上イケメンだ。



