もしも明日があるのなら、君に好きだと伝えたかった。


「わたし、今までふたりの顔色ばっかり気にしてきたけど、それじゃダメだってわかった。やっていいことと悪いことは、わたしの意思で決める。だから、こんなことはもうやめて」

聞き入れてもらえるほうが奇跡なんだと思う。

優里とは、考え方が根本的にちがうということに気づいた。

美鈴はどうかわからないけど、優里はただ、楽しむためにやっている。

誰かを攻撃することで憂さ晴らしをしているんだ。

「マジうっざ。なにさまなのっ!?」
「ただ思ったことを言ってるだけだよ。こんなことは、もう終わりにしたい」

「前から思ってたんだけど、琉羽って自分は無関係ですっていう顔しながら、高見の見物してたよね。今までなんにも言わなかったのに、今さら正義感振りかざしてなに言ってんの。似合わないんだけど」

「そうだよ、澄ました顔して、全部見透かしたような目で、あたしたちのことをバカにしてたでしょ。バレバレだっつーの」

「ち、ちがう……そんなつもりじゃ」

やっぱりわかってもらえないのかな。

「まぁどうでもいいけどさ、菜月が来ないならターゲットは琉羽だね。美鈴、これ」

優里がスカートのポケットから茶色の小瓶を取り出す。

美鈴はニヤニヤしながら「なになに?」と楽しげだ。