『おまえさんのいた世界に戻してやろう。時期はそうだなぁ、三ヶ月前だ。三ヶ月前から、今日の日までをやり直すんだ』
もはや、なにを言っているのかがわからない。
うん、きっと頭がおかしいんだ。
そう考えたら納得できる。
『おまえさんが過去の世界に戻って取った行動は、そのまま全部今の世界でも実際に起こったことになる。つまり、未来は変わるということだ』
『あの、なにを言ってるかわかりませんが、わたしはこれで失礼します』
実際には実体はないから離れるという感覚はないけど、とりあえず声の主から遠ざかるように意識をほかへと移す。
まともに相手をするだけムダ。関わらないようにするのが得策だ。
『あ、そうだ。言い忘れていたけど、おまえさんが事故に遭うという運命だけは、絶対に変えてはいけないよ』
まだなにかを言っている。もういい加減にしてほしい。一方的に変な話を振られて、真剣に聞いていたわたしがバカだった。
『さぁ、そろそろ時間だ。今度こそ、悔いのないようにな』
まだ言ってるよ。
その直後のことだった。