なに、これ。
わたしの名前が出てきたわけじゃないし、ちがう人に宛てたものなのかもしれない。
だけどいろいろと思い当たる節があって、どうしても他の人に宛てたものだとは思えない。
そのつぶやきに返信している人のコメントも思わず覗いてしまった。
《小野田 宏太》
って、あの小野田くん?
小野田くんとは高校はべつだけど、今も付き合いが続いてるんだ?
今は痩せてスマートになり、アイコンにしている写メの中の小野田くんは満面の笑みを浮かべている。
イタズラッ子のような笑みは昔から変わっていない。
《なんだよ、シンタロー。らしくねーな。おまえに弱気な発言は似合わねーぞ。まぁでも、中二の時って思っきし思春期じゃん。いろいろあるよな、ドンマイ》
《そうだよー、シンタローらしくない。昔のシンタローなら、積極的に動いて即解決!がんばってね、ファイト!》
《ガンバ!》
どの返信も全部慎太郎を励ますようなものばかり。
さらに慎太郎に返信してる人は、ほとんどが小学校の時の友達だった。
もしこれがわたしに宛てたものだとしたら、慎太郎はずっと後悔してたってこと……?
『友達だと思ったことは一度もない』って、たしかにわたしが最初に言った。
あの時、慎太郎はそれを聞いていて、ショックを受けたってこと?
あれは、慎太郎の本心じゃなかった……?
わたしは慎太郎に嫌われているわけじゃなかったの……?
慎太郎はわたしが泣いてるのを見て、力になりたいと言ってくれた。
どこまでお人好しで、正義感が強くて、まっすぐなの。
わたしのことなんて、放っておいてくれていいのに。優しすぎるよ。