もしも明日があるのなら、君に好きだと伝えたかった。


「よっと。ほら、しっかり掴まってろよ」

え…?

次の瞬間、身体がフワッと宙に浮いた。

えっ?いったい、どうなってるの……?

「ちょ、ちょっと……」
「フラフラなくせに、無理しなくていいから」
「しん、たろう……っ」
「んだよ、ったく」
「あ、いや……ううん、なんでも、ない……けどっ」

下がってくるまぶたに抗えなくて、そっと目を閉じる。

慎太郎の腕の中は驚くほど温かくて、優しくて。

今だけは嫌われているという事実が、嘘のように思えた。

でもね、慎太郎。

わたしは、あんたに優しくされる資格のない人間なんだよ。だって……わたしは。わた、しは。あー……ダメだ。意識が遠のいていく。