「なんなんだよっ、あいつ」
優里がチッと舌打ちする。
「超感じ悪いんだけど」
美鈴も怒りを隠さない。
「完全にうちらのことなめきってるよね!」
「マジでムカつくわ」
完全に菜月を敵だと認めたようで、話題は菜月に移り変わった。
冷や汗が背中を伝い、息が苦しくなる。
菜月が教室を出て行かなかったら、わたしはなんて言ったんだろう。
そんな疑問を抱えながら、迎えた次の授業。
菜月は授業が始まる寸前に教室に戻ってきた。
今日一日ずっと気が気じゃなくて、優里と目が合うたびに寿命が削られていくような気がする。



