もしも明日があるのなら、君に好きだと伝えたかった。


『おい、琉羽。なんかあったのか? 最近変だぞ』

放課後、帰ろうとしていたわたしの前にひょっこり現れた慎太郎。

彼が隣にいるというだけで、ものすごい動悸がして、冷静でいられなくなる。

嫌われているという事実がありありと突きつけられて、キリキリと胃が痛む。

わたしのことが嫌いなくせに、どうしてニコニコしながら話しかけられるの?

『慎太郎には、関係ないよ。っていうか、もう無理にわたしに話しかけなくていいよ。慎太郎のこと……友達だなんて思ってないから』
『は? おまえ、なに言ってんの』

これ以上一緒にいたら、余計に嫌われる。もう嫌だ。傷つきたくない。逃げ、たい。

唇を一文字にキュッと結んだ。そして、覚悟を決める。

『琉羽?』
『ほっといてよ! 慎太郎なんて、大嫌いなんだからっ!』

叫ぶようにそう言って、その場から走り去った。

慎太郎が追いかけてくることはなかったけど、わたしは全速力で走って帰った。

もうかき乱されたくない。

嫌われていると知った日から、慎太郎といると心の弱い部分がむき出しになって、ものすごくヒリヒリする。

苦しくて、切なくて、穏やかじゃいられなくなる。

だからもう、わたしに関わらないで。お願いだよ。