もしも明日があるのなら、君に好きだと伝えたかった。


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中学生に進級すると、小学生の時とはちがって周りがやけに大人びているように見えた。

私服から制服になったこと、今まで最上級生だったのに、下級生になったこと、学校のグラウンドに遊具がないこと、きゃあきゃあと騒ぐ子どもの声や泣き声が聞こえなくなったこと。

それだけじゃない、校舎にも独特の雰囲気があった。

背の高い机に椅子、分厚い教科書。

もう子どもじゃないんだと、それだけでなんだか自分も大人になったような気がした。

それはわたしだけじゃなくて、周りの女子や男子も一緒だった。

今まで男女関係なく遊んだりしてたのに、中学校はやたらと男女別に分けたがる。

異性に敏感になり、やたらと意識するようになって、男子と仲良くしていると『好きなの?』ってありえもしないことを聞かれたりして。

入学して二ヶ月も経つと、つい数ヶ月前まで男女一緒にバスケやドッジボールをしていた日々が幻のように思えた。

中学校は規模が大きく一年生だけでも七クラスあり、慎太郎とはクラスがべつだった。

一組と七組で、端っこと端っこ。

校内ですれ違うことはあまりなかったけど、たまに会うと普通に会話する。

お互いの近況だったり、小学校の頃の友達のことだったり、話題はいろいろ。