もしも明日があるのなら、君に好きだと伝えたかった。


『どうしてシンタローはそんなに強いの?』

思い切って一度そう訪ねたことがある。慎太郎の根っこの部分を覗いてみたかった。

『え、強くないよ』

キョトンとして目を見開く慎太郎。

『ううん、強いよ。ヒーローみたいだもん』
『ははっ、ありがと。俺が五歳の時、父ちゃんが交通事故に遭って……俺、その時父ちゃんと一緒にいたんだ。怖くてずっと震えてたけど』
『え?』
『救急車でそばに付きそってた俺に、血まみれの父ちゃんは言った。『父ちゃんは絶対に助かるから、信じろ。男が泣くんじゃねー、みっともないぞ。父ちゃんは大丈夫だ』って、苦しそうに言いながら笑ってた』
『え、笑ってたの?』
『うん、笑ってた。血がいっぱい出てんのに、泣いてる俺見て笑ってた』
『そんなことが、あったんだ……お父さんは、どうなったの?』
『父ちゃんが言った通り、助かったよ。治療を受けて意識を取り戻した父ちゃんは『ほら、言っただろ?』って笑ってたんだ。そん時の父ちゃんの笑顔がすっげーカッコよくてさ。俺も父ちゃんみたいなカッコいい男になりたいって思ったんだ』
『へぇ』

すごいな、さすが慎太郎だな。

慎太郎のお父さんも、すごい人だね。

慎太郎の強さはそこにあったんだ。

わたしはますます慎太郎のことが好きになった。