もしも明日があるのなら、君に好きだと伝えたかった。


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『ドーン、時限爆弾でーす!』

後ろからランドセルを思いっきり押されて、前のめりに転んだ。ドタバタと走ってくるたくさんの足音。

『バーカバーカ、佐上のバーカ。ノロマー』
『はは、転んでやんのー』
『バーカ、ブース』

通りすがりに悪口を言って走り去って行く数人の男子たち。アスファルトに打ちつけた膝がジンジンする。

『バカって言うほうが、バカなんだよ……っ!』
『なんだとー? 佐上ブウのくせに、生意気だぞ』
『うるさいっ!』

心を痛めながらも、強がって、意地を張った。

負けたくなくて、必死に言い返した。

クラスで一番身体が大きくて、縦にも横にも大きいジャイアンみたいな男の子。

その男の子の顔には生傷が耐えなくて、イタズラッ子であることを主張している。

顔もなんとなくガキ大将っぽくて、女子から密かに恐れられていた。

『そのへんにしとけよー。たかがドッジボールで当てられたくらいで、ひがんじゃダメだって』
『うっせー、シンタローは黙ってろ』
『女の子には優しくしろよ』
『はぁ? なに言ってんだよ。シンタローはバカだな。佐上ブウなんかに優しくする必要なーし』

遠くのほうでそんなやり取りが交わされているのを、わたしは歯を食いしばりながら聞いていた。

涙がこぼれ落ちないように、必死に我慢してたんだ。

『ブウじゃないもん……っルウだもん……バカァ』

そう言った瞬間、こらえきれなくて涙がこぼれた。