もしも明日があるのなら、君に好きだと伝えたかった。


「あいつら、許せねーな」
「え? なんで?」
「なんでって……おまえ、気づいてないのかよ」

キョトンとしてみせると、慎太郎は呆れ顔で「はぁ」と大きなため息を吐いた。

大きくてまん丸い瞳、その目はどことなく冷たさを感じる。形のいい整った眉毛がいびつに歪められた。

「あいつら、おまえのスカートの中覗こうとしてたんだぞ」
「え……?」

スカートの中を覗こうとしてた……?

あ、だからあんなにニヤニヤしてたの?

そういえば、色のことも言ってたような……。

慎太郎が来てくれなかったら、確実に見られていた。

やだ、そんなことに気づかなかったなんて、恥ずかしすぎる。

「おまえさぁ、もうちょっと周りに気ぃ配れよ。あいつらのこと、変だと思わなかったのか?」

なぜだか責めるような目で睨まれた。

「お、思ったけど、急いでたし、どうしても読みたい本だったから……」

それにね、この機会を逃すと、もう読めないかもしれないから……。