──ピッピッピッピッピッピッ
どこかから、機械の電子音のような一定の音が聞こえる。うっすらとまぶたが開くと、目の前がかすんだ。
「あ、うっ……」
声を発したその瞬間、血液が巡っていくようなへんな感覚がした。
それはジワーッと全身に広がり、痛覚や触覚といった五感が現実味を帯びてくる。
身体中を襲う激しい痛みと、衣擦れの感触。
ここは、いったい……。
わたしは死んだはずじゃ……?
だとすると、ここは天国なのだろうか。
意識がはっきりしてくると、目の前に真っ白い天井があった。
身体が動かないので、目だけを動かして、辺りを探る。
一面透明のガラス張りになった個室のような場所にわたしはいる。
カーテンが引かれているものの、外が丸見えで、影でバタバタと人が行き交っているのがわかった。
なんとなく見覚えのある場所だった。
足元にも透明の引き戸があって、ローマ字で逆向きのICUという文字が書かれてあった。
ということは、ここは病院なの?
今まで気づかなかったけど、部屋の隅に人の気配がした。そこにいたのは──。



