固く目を閉じた慎太郎は、血の気のない顔でそこに横たわっている。

全身傷だらけで、血まみれだった。

その顔を見ただけで、生気が宿っていないことがわかる。

「し、慎太郎……っ! やだ、嫌だよ……っ! ねぇ! 起きてっ! 起きてよぉぉ!」

なんで……なんでよ。

どうしてわたしなんて助けたの……っ。

ウソだ、慎太郎が死ぬなんて。そんなわけない。

とめどなくあふれる涙が、目からどんどんこぼれ落ちる。

「ねぇ……起きて……お願い、だから……っひっく」

誰か夢だと言って──。

お願いだから、今この瞬間の時間を止めて──。

これ以上先の未来を見たくない──。

知りたくない──。

慎太郎がどうなったかなんて──。