「あ……う……っ」

全身からものすごい勢いで血の気が引いていく。手に生温いなにかが触れているけれど、これはわたしの血だろうか。

「く……っ」

今までに感じたことのないような強烈な痛みが襲ってきた。感覚が麻痺して、意識が遠のいていく。

「おい! 大丈夫か?」

大丈夫じゃ……ない。

目の前が真っ暗でなにも見えない。

目を開けることができなくて、意識がどんどん遠のいていく。

「な、んで……なんでだよ。なんで……っ」

誰……?

どうして……そんなに切なげな声を出すの?
「きゅ、救急車!」

「早くっっ!」

どこかで誰かが叫ぶ声がする。遠くのほうで悲鳴も聞こえた。ダメ、だ。もう、ダメ。このままわたしは死ぬのかな……。

なんとなく感覚でわかる。全身から血が引いていく様子が。寒くもないのにガタガタと全身が震える。酸素が足りなくて、息苦しい。痛みを通り越して、身体中がおかしい。

少しでも気を抜くと、すぐに意識が持っていかれそうになる。

頭がガンガンして、まともに思考が働かない。でも、はっきりとわかる。


きっと……わたしは死ぬんだ。