「きゃああああ!」


優里の叫び声が響き渡る。

「ダ、ダメッ!」

わたしはとっさに優里の前に立った。

なぜか自然と身体が動いた。

「やめろっ!!!」


後ろから伸びてきた手が、カッターナイフを振り下ろそうとしていた美鈴の腕をキツく掴んだ。


そしてその手を捻り上げると、美鈴の手からは簡単にカッターが離れる。


カシャンと床に落ちたそれを、足で蹴飛ばして遠くへやったのは……慎太郎だった。