九月二十五日の朝、自転車に乗りながら通学路を走る。
秋晴れの空に浮かぶ白い雲。
頬に当たる風は、もうすっかり冷たくなっている。
今日で最後だからなのか、いつもよりもやけに周りの景色が鮮明に見えた。
いつもと同じはずなのに、なにかがちがう。そんな感じ。
しっかりと目に焼きつけておこう。
ペダルを漕ぐ足に力を入れる。
事故の時の記憶は曖昧だけど、トラックにひかれた時の感覚は嫌ってほど身体が覚えている。
たとえようのない激しい痛みを二度も味わうことに、恐怖で身体がカタカタ震える。
学校に着いて駐輪場に自転車を停めてから、校舎へと向かう。
寝不足で頭がボーッとするけれど、それも今日で最後なんだと思うと、どうでもよく感じてしまう。
のんびり来すぎてしまったのか、昇降口に着いた時には誰もいなかった。
シーンとしていて、遠くの渡り廊下を大慌てで走る生徒が目に入る。
そんなにギリギリなのかな。
そう思って昇降口の時計を見ると始業一分前であることに気づいて、急いで上履きに履き換えた。
でも、だけど……そんなに焦ることもないか。
今までが真面目すぎたんだ。
最後くらい、遅れたってどうってことない。
秋晴れの空に浮かぶ白い雲。
頬に当たる風は、もうすっかり冷たくなっている。
今日で最後だからなのか、いつもよりもやけに周りの景色が鮮明に見えた。
いつもと同じはずなのに、なにかがちがう。そんな感じ。
しっかりと目に焼きつけておこう。
ペダルを漕ぐ足に力を入れる。
事故の時の記憶は曖昧だけど、トラックにひかれた時の感覚は嫌ってほど身体が覚えている。
たとえようのない激しい痛みを二度も味わうことに、恐怖で身体がカタカタ震える。
学校に着いて駐輪場に自転車を停めてから、校舎へと向かう。
寝不足で頭がボーッとするけれど、それも今日で最後なんだと思うと、どうでもよく感じてしまう。
のんびり来すぎてしまったのか、昇降口に着いた時には誰もいなかった。
シーンとしていて、遠くの渡り廊下を大慌てで走る生徒が目に入る。
そんなにギリギリなのかな。
そう思って昇降口の時計を見ると始業一分前であることに気づいて、急いで上履きに履き換えた。
でも、だけど……そんなに焦ることもないか。
今までが真面目すぎたんだ。
最後くらい、遅れたってどうってことない。