もしも明日があるのなら、君に好きだと伝えたかった。

次の日の朝、玄関を出た瞬間、壁にもたれるようにして慎太郎が立っていた。

それを見て目を見開くわたし。

昨夜のことが蘇って、恥ずかしい気持ちでいっぱいになる。

同時に湧き上がる切なさ……。

「おはよ」

慎太郎は後頭部に手をやりながら小さくはにかむ。

朝から爽やかで、寝不足でボーッとしているわたしとは大ちがいだ。

「なんで、いるの?」
「そう嫌な顔すんなよ、待ってたんだよ、おまえのこと」

わたしは昨日、あれからすぐに逃げ帰って、はっきりと慎太郎の告白を断ったんだ。

それなのに、何事もなかったような顔で普通に話しかけてこないでよ。

待たれたりしたら……困るよ。

このまま一緒にいると、本音が出ちゃう。

隠し通せるほど、強くないんだよ。

弱いんだ……わたしは。

すぐに慎太郎に甘えたくなるの。

だから……お願い。

「はは、やっぱ、迷惑だよな……昨日はごめん。そこまで嫌がられるとは思ってなくて……しつこかったかなって、一晩中考えてた。悪かったな」
「…………」
「それを伝えたかっただけだから、じゃあな」

どこか傷ついたような表情を浮かべる慎太郎は、それだけ言うと走ってわたしの目の前から立ち去った。

遠くなっていく背中に向かって、ごめんねと心の中でつぶやく。

これで……よかったんだよね、これで。

でもなんでだろう、突き放されたら、それはそれでとても悲しくて切ない。

それを望んだはずなのに、胸が張り裂けてしまいそう。

つくづくわたしって自分勝手な奴だな。

そのあとトボトボ歩いて学校へ向かったけど、胸は痛いままだった。