もしも明日があるのなら、君に好きだと伝えたかった。


「それでもいいって言ったら?」
「え……?」

恐る恐る顔を上げる。

慎太郎は熱のこもった色気たっぷりの目でわたしを見下ろしていた。

「それでもいいから、琉羽のそばにいたいんだ。大事にするって約束するし、好きになってもらえるように一生懸命努力する。だから、俺と付き合ってほしい」

「な、に、言ってんの……」

バカじゃないの。

慎太郎なら、もっと他に似合う子がいるのに。

どうしてそこまでわたしのこと……。

「いい加減な気持ちなんかじゃない。たとえ何年かかっても、絶対に振り向かせてみせるから」

嬉しいのに複雑で、涙があふれてくる。

そこまで想ってくれていたなんて……知らなかったよ。

こうと言ったら聞かない頑固者。

そんな慎太郎の性格をよく知ってるからこそ、ツラい。

こうしていると、すべてをさらけ出して、その胸に飛び込んでしまいたいという衝動に駆られる。

「わ、たし、好きな人がいるの……その人のことしか見えないから……だから」

慎太郎のことしか見えないんだ。

だからわたしは、きみを傷つけない道を選ぶと決めた。

ここでわたしが揺れてたらダメだ。

「は? 誰だよ、好きな奴って」

ここで初めて慎太郎が動揺した。

とっさに手首を掴まれて、顔を覗きこまれる。

バランスの整ったイケメン。ツーブロックの髪の上の部分がフワッと揺れる。