もしも明日があるのなら、君に好きだと伝えたかった。


身体を起こして部屋の中にある全身鏡の前に立った。

改めて自分の姿を見ると、なんとも言えない気持ちがこみ上げた。

鏡の中でちゃんと生きてるわたし。疲れ切ったような顔をしているのも、どこか自信がなさげなところも、愛想がない生意気な態度も、一度死んでしまったとはいえ、なにも変わっていない。

ううん、変わったんだ、わたしは。

高校生になってから、腰まで伸びた髪を茶色く染めて、それを巻くようになった。自然な感じのゆるふわカール。中学生の時は真面目にきっちり制服を着てたのに、今は制服のスカートを短くして、カッターシャツの一番上のボタンを開けている。

身長は高すぎず低すぎずの一五五センチで至って普通。

恋愛小説や漫画を読むのが好きで、特にベタなシンデレラストーリーは自分にはない要素が満載だから読んでいて楽しいし飽きなかった。

友達には恥ずかしくて言えてないけど、実は今でも読んでいたりする。

パッチリ二重の目に、スッと筋が通った小さい鼻。ぷっくりしているアヒル口。色白のわたしはスッピンだと顔色が悪く見えるので、お小遣いをはたいて買った化粧品で、うっすらだけどメイクもしている。

それのおかげなのか、友達に言わせるとわたしは『かわいい』らしい。

高校に入学する前は、外見が変わればなにかが変わるかもしれないと期待していた。