もしも明日があるのなら、君に好きだと伝えたかった。

それからさらに一週間が経った。

右膝の傷はすっかり完治して、幸いなことに跡も残らなかった。

「琉羽、起きてる?」

コンコンと部屋のドアがノックされた。

目覚めていたけど、なかなか起き上がることができなかったわたしはのそのそとベッドから出て部屋のドアを開ける。

「お、おはよう」
「おはよう、朝ご飯できてるからいらっしゃい」
「あ、うん」

病院から帰った夜、お母さんは寝ずに起きて待っていてくれた。

先に謝ってきたのも、お母さんのほう。

つられるようにわたしも謝り、あれからぎこちないながらもなんとか関係を築けている……と思う。

今までの溝がすぐに埋まるかと聞かれたら、決してそうじゃないけれど。

それでもお母さんはわたしに勉強しろとは言わなくなった。

お兄ちゃんと比べることも、もちろん、ため息を吐くことだってない。

ものすごく気を遣ってくれていることが、ひしひしと伝わってくる。

心の中ではどう思っているかはわからないけど、お母さんなりに変わろうとしているのが伝わってくる。

だから、わたしも変わらなきゃ。

もう逃げてるだけの自分は嫌だ。

自分なりに目の前のことと向き合って一生懸命考えなきゃ。

「お、お母さん……!」
「どうしたの?」
「今日、学校の友達、あ、菜月って子なんだけど、パフェ食べてきてもいいかな?」

顔色をうかがうようにビクビクしてしまう。

「とにかく下へいらっしゃい」

お母さんはビックリしたように目を見開いたあと、優しく微笑んだ。