もしも明日があるのなら、君に好きだと伝えたかった。


「はぁ」

しばらくぎこちない空気が流れたあとに聞こえたのは大きなため息。

「わかる、だろ?」
「えっ?」

ゆっくりと顔を上げた慎太郎は、誰が見てもわかるほどに真っ赤だった。

「俺の、気持ち……あいつらが言った通り」
「……っ」
「俺は……初めて会った五歳の時から……琉羽のことが」

ウソ、だ。

そんなわけ、ない。

「好きなんだ」

慎太郎の言う好きの意味が、友達としてじゃないってことくらいわかる。

「中学生になってから急に大人っぽくなりやがるし、クラスの男たちがおまえのこと『かわいい』って……あの時だって、あいつらに琉羽を取られるんじゃないかって、内心すっげー焦ってた」

あの日、わたしの世界が音を立てて崩れた日。

わたしは慎太郎に嫌われているんだとばかり、思っていた。

それなのに……慎太郎が、わたしを好き……?

「べ、べつに、今すぐ付き合おうってわけじゃないし。でも……考えといて」

固まるわたしに、視線を泳がせながら逃げ道を作ってくれる慎太郎。

そんな余裕なんてないはずなのに、わたしのことを考えてくれている証拠なのかな。

「返事は……いつでも、いいから」
「え、あ……う、ん」

戸惑いながらも、なんとか返事をする。

初めての告白、それも相手はあの慎太郎。

ウソみたいなことだけど、ウソじゃなくて。

その夜、わたしはなかなか寝つけなかった。