「お待たせ致しました、トリプルハンバーグがおふたつと、ライスでございます」
結局わたしは慎太郎と同じ物を注文した。
熱々の鉄板の上に乗せられたハンバーグからは、ジューシーな匂いが漂ってくる。
お腹が空いていたこともあって、余計に美味しそうに見えた。
「わー、いただきまーす」
ファミレスなんていつ振りだろう。
ずいぶん久しぶりな気がする。
「うーん、美味しいっ!」
ナイフとフォークでハンバーグを切り分け、さらに口へ運ぶ。
てっきり食べていると思っていた慎太郎は、そんなわたしをまっすぐに見つめていた。
「なに?」
「いやぁ、幸せそうに食うなって」
「そう? でも、美味しいから。早く食べなきゃ、冷めちゃうよ?」
「わーってるよ。いただきまーす」
慎太郎はあれよあれよという間にハンバーグを口の中に放り込む。
しばらく無言で食べた。
ようやくお腹が落ち着いた頃、ちょうどわたしたちのテーブルの横を制服を着たふたり組の男子が通りかかった。
「お、慎太郎じゃん」
そのうちのひとりが慎太郎に気づいて笑顔を見せる。
「うおっ、マジだ。慎太郎だ。久しぶりー!」
爽やかで知的な感じのイケメン男子と、坊主頭のいかにも野球部っぽい男子。
慎太郎も「おお」と驚きながらも、笑顔を浮かべる。
「元気かよー?」
「中学ん時以来だなぁ」
なんていう会話をこっそり聞いていた。
中学の時の同級生?
そういえば、なんとなく見たことがあるような気がする。
しばらく話したあと、ふたりはわたしに気づいた。