「俺、ハンバーグとエビフライと目玉焼きのセット。琉羽は?」
「え、えっと……」
どうしよう。
所持金わずか五百円じゃ、大した物は食べられない。
慎太郎は心配しなくていいって言ってくれたけど、そんなわけにはいかないよ。
メニュー表を見ながら右往左往する。
「食いたい物選べよ」
テーブルの上に両肘をついて、優しい眼差しを向けてくる慎太郎。
店内は同じように部活帰りの学生や、塾帰りの中高生が多くざわざわとしている。
それよりも、さっきから慎太郎に集まる女の子からの視線がすごい。
「ほ、ほんとに、いいの?」
「いいっつってんのに、なに遠慮してんだよ。そんなに俺が頼りなく見えるのか?」
「いや、そういうわけじゃ……」
なんだか甘えるのは悪い気がするんだよ。
それに周りの視線も気になる。
一緒にいるのがわたしみたいなので、申し訳なく思えた。