「いい加減笑うのやめてよ」

「はは、琉羽と兄妹喧嘩する日がくるとはなぁ」

「兄妹喧嘩って……」

「嬉しいんだよ、おまえが本音で話してくれることが」

「お兄ちゃんは……わたしのこと、どうでもいいと思ってたんじゃないの?」

「そんなふうに思ってたら、今ここにいないだろ」

「それ、は、そうかもしれないけど……」

「琉羽は俺の大事な家族で、妹だよ」

「……っ」

なんなんだ、これは。

胸がジーンと震えて熱くなる。

止まったはずの涙が、再び浮かんだ。