もしも明日があるのなら、君に好きだと伝えたかった。


「つーか、浴衣じゃねーのかよ!」
「え?」
「ちぇっ、琉羽の浴衣姿が見られると思ってたのに」

唇を尖らせながらそんなふうに言う慎太郎は、子どもみたいだった。

「きょ、今日はさっきまで塾だったの……」
「ふーん、つまんねーの」

──ドキッ

「はははっ、慎太郎はバカ正直だなー!」
「うっせー、おまえだけには言われたくねーし」
「正直仲間でいいじゃん、俺ら! 実際気が合うから一緒にいるんだしー!」
「はぁ?」
「ふふっ」

菜月は優しい表情でふたりのやり取りを見守っている。

浩介くんを見る目はやれやれといった感じなのに、慎太郎を見る菜月の目は浩介くんの時とはちがっていて。

そんな菜月の横顔を見ていると、ふとあることが頭をよぎった。

菜月は慎太郎のことを……どう思っているんだろう。

過去ではふたりはいい感じだった……はず。

これからふたりは進展していくのかな。

ううん、過去とはちがう今になっているんだから、もしかするとそうならないかもしれない。

わたしが行動を起こしたことで、ふたりの未来にまで影響を及ぼしている……?