もしも明日があるのなら、君に好きだと伝えたかった。

「ごめんね、今日はありがとう」
「ううん、全然大丈夫だよ」

カランコロンと、菜月の下駄が音を立てる。

お祭りの会場は駅の近くの神社で、わたしと菜月は早めに待ち合わせ、川沿いの道を並んで歩いていた。

「元気にしてた? あたし、スイカ食べすぎちゃって。お腹壊してたんだよね……あはは」

浴衣姿の菜月がかわいく笑った。

「え、大丈夫なの?」
「うん、今はもうすっかり元気だよ」

いつもはポニーテールの菜月も、今日は浴衣だからなのか高い位置でお団子にしている。

薄紫色の朝顔柄の浴衣が似合っていて、すごくかわいい。

一方わたしは、テロテロのサテン生地の黒のオーバーオールと、白いTシャツを合わせてラフな格好。髪はサイドに編み込みをして、後ろでひとつにまとめている。

「今日は琉羽も浴衣だと思ったのになぁ」
「ごめん、塾帰りだし、時間がなくて」

わたしはとっさに言い訳をしてみせる。

「そうだよね、塾だったもんね。あー、あたしもやっぱり私服にすればよかった。なんだか恥ずかしいよ、ひとりだけ浴衣って」
「かわいいよ、菜月の浴衣姿」
「そ、そうかな? 照れる……」
「そうだよ、かわいいから自信持って!」
「あ、ありがとう……」

パァッと明るい笑顔を浮かべる菜月。

わたしはそんな菜月を見て笑ってしまった。

歩いていると次第に陽が落ちていき、それと比例するようにたくさんの人であふれてくる。

まだまだお祭りはこれからだ。