もしも明日があるのなら、君に好きだと伝えたかった。


「だからそう言ってるじゃないですか、なのにあなたときたら……」

「なんだと? この俺が悪いって言いたいのか?」

「そうじゃなくて、わたしが言いたいのは……」

塾から帰ってきて玄関のドアを開けた瞬間、リビングから言い合う声が聞こえた。

また、やってるよ。

ここ二、三日、珍しくお父さんが早く帰って来たかと思えばお母さんと口論を繰り広げている。

こんなことは今までなかったのに、なんなのよ、いったい。

仲裁に入るなんてわたしにはできるはずもなく、リビングに寄ることなく自分の部屋に直行する。

「はぁ」

疲れた、ものすごく。

これからまた今日の分のノルマと、プラス夏期講習での宿題をしなきゃいけない。

勉強なんかして、将来なんの役に立つというんだろう。

どうしてこんなことをしなきゃいけないの。

無意味なことのように思えてやる気が出ない。

気分転換に菜月にメッセージを送ると、すぐに既読がついて返信がきた。

『毎日暑いよね!でも、あたしは元気だよ。琉羽は?あ、この前また面白い小説見つけたよ★また紹介するね★』

『わたしも元気だよ、毎日夏期講習で嫌になる!小説?読みたーい!!!』

『いつ空いてる??本屋さん巡りがしたいよぉ★』

『うーん、そうだな』

文字を打ち込みながら、スケジュール帳を確認する。