「はぁはぁ……」
全力疾走してやってきたのは住宅街の中の小さな公園だった。
ブランコに滑り台、砂場に鉄棒、そしてジャングルジム。
たったそれだけの遊具しかない公園。
もう少し住宅街の中を行くと、グラウンドがある大きな公園があるけれど、もうこれ以上は走れない。
わたしはブランコに座って、足で地面を蹴った。
キコキコと小さく揺れるブランコ。
「なに、やってるんだろう……」
なにが、したいんだろう……。
自分のことなのに、まったくわからない。
「あれ、琉羽?」
公園の横を遠くから走って来た人が通りかかった。
それと同時に、名前を呼ばれる。
顔を上げると、そこにはジャージにTシャツ姿の慎太郎がいた。
ランニングでもしてたのか、タオルを首から下げて汗を拭っている。
「珍しいな、こんな早い時間になにしてんだよ?」
慎太郎は入口から中に入ってくると、わたしの目の前までやってきて、そんなふうに問いかける。
「さ、散歩。慎太郎は、ランニング?」
まさか、こんなところで会うなんて……。
「おう! 体力作りのために、毎日走ってる」
「へぇ、すごいね」
「バスケにはスタミナと持久力が大事だからなっ!」
得意気に笑う慎太郎がまぶしく見えた。
ほんとにバスケが好きなんだな。
夢中になれるものがあるって、すごいことだと思う。
慎太郎は勉強だってできるし、なにをやっても器用で、大抵のことは難なくこなしてしまう。



