「わかってたら、そんなだらしない格好で寝ないでしょ? もっと必死になって、将来のことも考えるはずだわ」
「……っ」
将来のこと、未来のこと、先のこと……お母さんはそればっかりで『今』のわたしを見てはくれない。
興味があるのは、どうなるかわからない将来のことだけ。
それ以外に、わたしに興味なんてないんだ。
「わかってるってば、うるさいなぁ!」
「なっ、親に向かってなんなの、その口の利き方は! お兄ちゃんはそんなこと言わなかったわよ!」
「…………」
ほんと、うるさい。
もう放っておいてよ、わたしのことなんて。
将来のことなんてなにも考えられない。
お兄ちゃんはお兄ちゃん、わたしはわたしなんだって。
もうやだ、もううんざり。
もう……全部がどうでもいい。
わたしはリビングを出ると、そのまま玄関に向かった。なにもかもが嫌で、とにかくここから逃げ出したかった。



