もしも明日があるのなら、君に好きだと伝えたかった。


「な、なんで北沢くんが……」

優里が大きく目を見開く。

「やってないって言ってるのに、一方的に決めつけるのはよくないんじゃないの?」
「そ、それは……っ」
「佐上さんがやったっていう証拠でもあるわけ?」

依然として真顔の北沢くん。

菜月といた時に見せていた笑顔は、今はない。

まるで別人かのように、黒いオーラが辺りに漂っている。

どうやら怒らせると怖いらしい。

でも、どうしてわたしにここまでしてくれるんだろう。

「だ、だって……他に恨まれるような覚えがないもん」

なぜか優里はすっかり大人しくなってしまった。

うつむきながら儚げな声を出して、しおらしい態度で振る舞っている。

「本当にそう? あんたに覚えはなくても、もしかしたらいっぱいいるかもしれないよ? あんたを恨んでる人が」

穏やかな口調だけど、驚くほど冷たい声だった。

「え?」
「もうちょっと自分の行動と発言に責任持てよ。人を傷つけて笑ってるなんて、人間として最低だからな」
「そ、そんなことしてないっ。あたし、誰も傷つけてなんか……っ」
「だからそう思ってんのはあんただけだろ。人の裏側ってのは、その人に聞いてみないとわかんねーんだよ。あんたのものさしだけで、世の中が回ってるんじゃねーんだから」
「なっ……」

珍しく優里が押されている。

こんな光景を見るのは初めてだ。

周りの女子たちも、気まずそうに顔を伏せて押し黙ってしまっている。

よっぽど浩介くんの言葉が効いたのかな。

それにしても、少しはまともなことも言うんだ、この人。

慎太郎が言ってた通り、やる時はやる人なんだ。

ちょっと見直しちゃったよ。

慎太郎が言ってた通り、悪い人ではなさそう。