先生……

もう、さよならなの……?

もし、さよならなら、なんで言わないの?

黙って居なくなっちゃうの?





私……私ね、

先生が好き。



ノートの端っこに、何度も先生の名前を書いたよ。


板書する姿を、眺めてたよ。


廊下の向こうに居ても、見つけられたよ。



先生……先生……。



大好きなの……。



頭では分かってるのに、好きな気持ち溢れちゃうんだ。


こんなに好きだなんて、自分でも思ってなかった。


こんなにも好きになるなんて、思ってなかった。


好きになったのが、たまたま先生だっただけ。

だけど……だけど

教師と生徒の壁は

越えづらい



きっと、先生は

一緒に飛び越えてはくれない……。






「出来た……」


なんとか無事に、生チョコを作れた。


「うん!可愛いの出来たね」

二人で出来上がったチョコレートを見て、ニンマリと笑った。


クリスマスに打ち明けてくれたが沙織は、一学年上の先輩が気になるらしい。



テニス部の先輩で、階段から落ちそうになった時、後ろから抱き締められる形で助けてくれたんだって……。


その後も先輩は、沙織を覚えていて、廊下で会うと、笑いかけてくれるんだって。



沙織のチョコ

貰ってね、先輩……!!