『プルルルルル…プルルルルル…』
『はい。もしもし…あの、バイトの貼り紙を見てお電話させていただきました。
赤羽 枚漓(あかばね ひらり)と申します。』
『あ、バイトですか。
じゃあ、面接したいので、履歴書要らないので近い内に来てください。
暇なのでいつでもいますので』
『え…あの…場所は…?』
『貼り紙に書いてます』
『分かりました』
『では、後日…』
あまりにもあっさりしていた。
声は同い年位の男っぽかった。
(あ、名前、聞き忘れた…ま、良いか…)
あっちがいい加減なんだから、名前くらいは後から知っても問題ないだろう。
私は頭のなかでそう、片付ける。
そして、一週間前、会社が倒産する前に電気ガス水道代と、家賃を払っていた自分の家の自室のベットに体を投げ出した。
疲れがたまっていたのか、体は次第に重くなり、すやすやと眠りに落ちていった…