「それでさ、手紙にも書いたんだけど南さんに伝えたいことがあって」


「あ、そうでしたね!どうかしたんですか?」



すると飯田くんは少し頬を赤らめながら、意を決したかのように俯いていた顔を上げた。



「俺、南さんが好きです」


「えっ……?」


「入学式のときに南さんを見て、笑顔が可愛いなって。

それから南さん見つける度に目で追ってる俺がいて…。

いろんな南さんを見て好きだなって」



うそ……

ほんとに言ってるの…?



「初めて見たときから好きでした。

俺と付き合ってくれませんか?」



飯田くんの真剣な顔を見て、ほんとうなんだって思った。



でもまさか、飯田くんがわたしのことを想っててくれてたなんて思わなかったから。



……でも。


「飯田くんの気持ち、すごく嬉しいです。

でも、ごめんなさい」



わたしは頭を下げた。



「どうして?好きな人でもいる?」


「そうじゃないです。

ただ、わたし飯田くんと話したの初めてで何も知らないから、気持ちがないのに付き合うって飯田くんに失礼だと思うから…」



だからごめんなさい、ともう一度ちゃんと謝った。