「そうなんだろ?

なんならさ、ここで…する?」



結城くんのその甘い囁きにクラクラする。


同時に顔に一気に熱が集まる。



こんなこと初めてで、もうパニック寸前。


今にも倒れそうになる。



そんなわたしをよそに、結城くんはいつもみたいに意地悪な顔してだんだんとわたしに迫ってくる。



「っ~~~!」



もうダメ……

じわじわと涙は溜まって、顔は熱い。



「やっ……、離して、ください……」



結城くんの目を見て言う。



「っ……!!」



結城くんはそんなわたしを見て目を見開き、片手で口元を覆って顔を逸らした。



そして

「くっそ、まじかよ……」


なんて小さく呟いた。



かと思ったら、自分が着ていたパーカーをわたしの肩にかけて。



「早く着て髪乾かせよ」



そう言って2階に上がって行った。



いつの間にか部屋の電気もついていて、わたしたちはこんな中あんなことしてたんだとわたしはきづく。



それからのわたしは、羞恥心から逃れるべく急いで着替えて髪の毛を乾かして自分の部屋に戻った。



そして寝ようとベッドに潜るが、さっきのことが頭を支配してなかなか寝付けず、気づいたら辺りは明るくなっていた。