「ありがとな!ゆき」
「っ……!」
いつもは意地悪な笑みとか学校での作った笑顔しか見せない結城くんだから、
こんな輝いた笑顔を見るのは初めてで。
すごく、胸がきゅっとなった。
「よ、喜んでもらえて良かったです…」
きっと今のわたしの顔は真っ赤だと思う。
それぐらい顔が熱い。
こんな顔、結城くんには見せられないよ…
「お、お風呂の準備できてるので先に入ってきてください!」
わたしは赤くなった顔を隠すように下を向きながら早口でそう言った。
「あ、あぁ。わかった」
わたしの勢いに押されてリビングを出ていく結城くん。
それと同時に、わたしはキッチンの床にずるずると座り込む。
「はぁー……」
もう、訳わかんない。
なにこれ……
さっきから心臓がドキドキいって止まらない。
わたし死んじゃうんじゃないのってぐらいに心臓が早く大きく鳴っている。
「わたしどうしちゃったの……?」
