結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。



「ふふっ」


「なに、1人でニヤニヤしてんだ?

気持ちわりぃ」


「えっ!?ゆ、結城くん?!」



わたしの真横には結城くん。



いつの間に帰ってきてたんだろ。


全然気づかなかった…。



「ただいまって言ったのに全然聞いてねーもんな」


「ご、ごめんなさい!全然気づかなくてっ!」


「いーよ。

それよりめっちゃ美味そうな匂いすんだけど」



くんくんとする結城くん。



そんな姿にも可愛いと思ってしまうわたし。


って、わたしどうしちゃったの!?



つい朝までは結城くんのことすごく警戒して、苦手意識もってたのに!



「結城くんが朝ハンバーグが食べたいと言っていたので作ってますよ」



張り切ってハンバーグまで作っちゃってるし。



「マジで!?」



あぁ、そっか。

そういうことか。



結城くんのこのキラキラとした、どこか子供っぽさが残る表情を見ちゃったからなのか。