結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。



「あ、ほら。登録できた」



わたしの手元にスマホが返ってくる。



そこには、見慣れない数字とアルファベットたち。



「俺の番号とアドレス登録しておいたから。

呼び出しには必ず従え。

さもないと、どうなるか分かってるよな?」



うぅ……



「はい……」



あぁ、もうどうしよう。


わたし、ほんとにやってける自信が無いよ…。



第1、なんなんですか!

この王子様は!


自己中なのにも程があります!



絶対に結城くん、世界は俺中心にまわってるって思ってるよね?



あやちゃんは結城くんのこと王子様なんて言ってたけど、どちらかというとこの人は王様だと思う。



全員俺の言うことを聞けー!って言ってそうだもん。



「なぁ、お前今変なこと考えてただろ」


「へっ?」



あわわわ…。


もしかしてまたわたし、心の声がもれてた?



「全部ばればれ。

お前、絶対に隠し事とかできないタイプだろ?」



よく分かってらっしゃる。