ある日の昼休み。
化学の教科担にプリントと職員室まで持ってった帰り。
そんな中、たくさんの生徒で賑わってる廊下ですぐに視界に入った男女。
結城と逢坂咲希だった。
何やら必死に結城を説得?してる逢坂さんと、困ってるようなどこかそこにイライラを隠せてない顔をしている結城。
正直俺からしたら良い気はしない。
「結城、さっき職員室でお前の担任が結城のこと探してみたいだよ」
だけど、そんな俺の口からは結城を助けるような言葉をかけていた。
まぁ実際にあの先生が結城のことを探してたのは事実だし。
「あ、あぁ。ありがとう」
まさか俺が結城を助けるようなことをするとは思わなかったらしく、結城は驚いたように目を見開いていたけど、すぐにいつもの顔に戻った。
そして俺の横を通り過ぎようとしたとき_
「俺、お前がゆきちゃんを泣かせたこと許してないから」
たとえ何があってもな…。
そう低く、俺は結城の耳元で言った。
一瞬止まった結城だけど、その後すぐまたかけて行った。
