結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。



「結城くん…?」



結城くんの名前を呼ぶと、ビクッと肩を震わせて結城くんはこっちを見た。



「ゆき?」



久しぶりに聞いた声。

ちゃんとわたしの方に向けられてる結城くんの目。


どれもが懐かしく思えて、ここ最近暗く沈んでたわたしの心はあっという間に元に戻った。



しかし、わたしの方に近づいて来た結城くんから、前感じたものとは違う女物の香水の匂いを感じて、すぐに胸がズキリと痛む。



やっぱり、女の人といたんだ……



「久しぶり、だな…」



遠慮がちにそう言ってきた結城くんにわたしも「そうですね…」と返す。



苦しいけど、今は笑って返せるほどの余裕はない。



「ゆきはなんでこんな時間まで起きてんだ?

もう三時だぞ」



少しの沈黙のあと、結城くんはそう言った。



「少し、眠れなくて……」



結城くんのことが気になって眠れなかったんですよ。


決して口にはしないけど、そう心の中で呟く。



「そっか…」



そこからまた沈黙が続いて、わたしは意を決してずっと聞きたかったことを口にした。