結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。



「ま、亮。あんたもせいぜい頑張んな」



そう言ってあやちゃんは最後にぐっと亮くんの耳元に顔を近づけて、

「うちの学校の王子様に負けないように」

と言った。



「はっ!?」


「さ、ゆきあたしの部屋行こー」


「うん!」



サササーっと部屋に向かうあやちゃんにわたしも着いていく。



「はっ、ちょ!姉貴それどーいうことだよ!」



亮くんの質問には思いっきりあやちゃんスルーしてるけど。



「いいの?亮くんなにか言ってるけど」



階段を上りながらあやちゃんに聞く。



「いーのいーの。面白いから」



はあ…。わたしには全く訳が分からないけど。


少し亮くんが可哀想に思えちゃったけど、あやちゃんがいいって言うならまぁいっか。



「……それで?」



あやちゃんの部屋に来てわたしはベッドを背に床に、あやちゃんは回転する椅子に座って一息つく。



「それでって?」


「なにか進展はあったの?」



進展って言っても夏祭りの約束してからまだ4日しか経ってない。



今のわたしの中では夏祭りに2人で行くことになったってことが最大の進展なんだけど…