結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。



――ガチャッ



「ゆき!いらっしゃい!」



待ってましたと言わんばかりに出てきたあやちゃん。



「あやちゃん!おはよう。

今日から2日間よろしくお願いします」


「こちらこそ!さっ、早く上がって!」


「うん!」



久しぶりのあやちゃん家だぁ。



「おじゃましま〜す」



入ってすぐに感じるあやちゃんの匂い。



あやちゃん家の匂いってすごく落ち着くの。


って、なんかわたし変態みたい…。



「なんか飲み物持ってくから先にあたしの部屋行っといて」


「はーい」



そう言われあやちゃんの部屋がある2階に行こうと足を進めると__



「ゆき?」



不意に後ろから声をかけられた。



低すぎない、でもどこか芯のある優しい声。



後ろを振り返ると、

「亮くん!」



前会ったときよりも背が高くなって、一段とかっこよさに磨きがかかって大人っぽくなったあやちゃんの弟、亮くんがいた。