結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。



「あ、そうだゆき」



するとまたすぐ聞こえてきた結城くんの声。



動かし始めた手をまた止めて結城くんを見る。



「日曜の夏祭り誰かと約束してるか?」



夏祭り?


あぁ!



「今年はあやちゃんが彼氏さんと行くみたいなので約束してませんよ」



毎年この時期にやる地元のお祭り。



結構規模が大きく隣町からも人が多く来て、毎年賑わってるんだ。


このお祭りの最大の特徴は打ち上げ花火で、すっごく綺麗なの。



「じゃあゆきは誰とも約束してねーの?」


「はい」



でもどうして結城くんがそんなこと聞くんだろ。


うーん…



考えてもその理由はなかなか思い浮かばず、首を傾げる。



「だったら誰とも約束すんなよ」


「へ?」



なんとも間抜けな声がわたしの口から漏れる。



「祭り、一緒に行くぞ」



・・・・



「聞いてんの?」



え、待って。


ちょっといきなりすぎてわたしの思考回路バグったみたいです…



上手く正常してなくて理解に時間がかかる。