「亮くん?」
心なしか結城くんの声がさっきよりも低くなったのは気のせいかな…?
「あやちゃんの弟ですよ!
今中学三年生なんですけどすーっごく可愛いくてかっこいいんです!」
昔はわたしのこと"ゆき姉"って呼んでぴょこぴょこわたしの後ろを着いてきてて、またそれが可愛いかったなぁ。
兄弟がいないわたしにとっては弟みたいな存在ですっごく可愛がってるの。
まぁ今じゃ可愛いというよりかは、かっこいいって言葉のほうが似合う男の子に成長しちゃったけどね。
「ゆきはそいつのことが好きなの?」
「へ?」
好き?わたしが亮くんのこと?
それはもちろん
「好きですよ」
だって可愛い弟みたいな子だし。
それは今も昔も変わんないよ。
「ふーん」
なぜか不機嫌?な結城くん。
「あ、でも好きと言ってもわたしにとっては弟みたいな存在の子なのでそういう意味での好きですよ」
わたしが恋愛的な意味で好きなのは結城くんだけだから。
「そういうこと」
微妙に声のトーンが上がった気がするのはわたしの気のせい?
ま、いいか。
わたしは止めていた手を動かして料理に戻った。
