スタスタと歩く結城くんに追いつこうと小走りで着いてくわたし。
「…っ、ゆっ、きくん」
待って、と言いたいけど息が切れて言葉にならない。
速すぎる…!
長い足で進む一歩はかなり大きく、背が小さいわたしはそれになかなか着いていけない。
おかげでさっきからほぼ走ってる。
ツンッ…
「…っ!」
うわっ!
こ、転ぶっ!
何かにつまずき、転ぶと悟ったわたしは後にくる痛みを想像してギュッと目をつぶる。
しかしなかなか痛みを感じず、その代わりふわっと誰かに抱きとめられた感覚がした。
ゆっくり目を開けると目の前には結城くんの厚くて固い胸板。
「大丈夫か?
ごめん。引っ張って早く歩いて」
「大丈夫ですよ!
転びそうになっちゃったけど結城くんが助けてくれましたし!」
結城くんが助けてくれなかったら今頃顔から地面に衝突してたところだし。
それより気になってるのは…
「あの女の人、誰なんですか?」
茶色のくるくるとした髪にスラっとした体型。
出るところはちゃんと出てて、すごく綺麗ないかにも大人の女性って雰囲気が出てるさっきの女の人。
