「次からは気をつけろよ。
ていうか勝手に歩き出すな。いいな?」
「はい……」
――ギュッ…
…え?
「迷子防止といざとなったときは俺が守れるように」
そう言って結城くんはわたしの手を握ったまま歩き始めた。
結城くん……
結城くんの行動一つ一つに胸がキュッとなる。
また好きが大きくなる。
もしかしたら結城くんもわたしと同じ気持ちなのかも、とかバカみたいな勘違いをしちゃう……
そんなことある訳ないのに…
結城くん、好きです。
すごくすごく、大好きなんだよ……
そう口に出せない気持ちを心の中で呟く…___
「ん〜、美味しい!!」
大好きないちごチョコバナナクレープ。
もうほんっとに美味しい!
それにしても、
「ほんとに結城くんはクレープ買わなくてよかったんですか?」
せっかくクレープ屋に来たのになにも買わないなんて……
「いいよ俺は。甘いの嫌いだし」
「え……っ?」
甘いの、嫌い……?
「えぇぇえぇーーーー!?!?!?」
「っるさ!」
