そう付け足すと結城くんは
「はっ、何だそれっ」
と笑った。
そんな結城くんでさえキュンとしてしまうわたしはもう重症だ。
頬がだんだんと熱を帯びる。
「結城くん行きますよ!」
赤くなった頬を隠すように勝手に早歩きで歩き出した。
と、その時
――…プップーーー!
「ゆき!」
突然車のクラクションが鳴り響いたと思えば、わたしはすぐに誰かに腕を引っ張られた。
「っぶねぇ…」
上から結城くんの焦りと安心が混じった声が聞こえてきた。
「結城くん……」
「ったく、急に歩き出すなよ。
もう少しで車に引かれるところだったぞ」
「ごめんなさい……」
そっか、わたし恥ずかしがって勝手に周り見ずに飛び出したりしたから車に轢かれそうになったのか…
もしかしたら今頃車に引かれてたのかもしれない…。
そう思うと、少しゾッとした。
